それでも、私は 。
主任は、60歳くらいの凄く優しい方で
この前、家で煮物を作ってわざわざ私の為に持って来てくれた。
私の指導係の悠さんはすごく私より年上の男性ですごくしっかりしていて、
時には優しく、時には厳しく、そんなけじめのある人。
他にもみんな良い人ばかりで仕事は大変だけれど、嫌と思ったことは一度としてない。
「珍しいな。椎葉が遅刻とは。」
ははは、と笑いながら悠さんはそう言った。
悠さんはやはり年上という感じのしっかりとしたオーラがあるけど、
あまり気取っていないところが凄く絡みやすい。
「すみません。ちょっと洗濯物干してて…」
「洗濯物??ああ。椎葉は一人暮らしだったな。いつでも、頼りにしてくれればいいからな。」
ぽん、と頭を撫でられる。
「はい。ありがとうございます。」
悠さんは優しいなあ、なんてつくづく思った。
今は悠さんと話しているのに、今でも脳裏に鮮明に描かれているものがあった。
迦南さん。