それでも、私は 。
「何やってんだろ。あの人…」
私の視線の先には、夜だというのにカーテンを閉めず、
電話を片手に踊っている隣のマンションの住人の姿があった。
私と同い年位か、少し上くらいの男の人。
髪の毛は無造作にたててあり、運動が得意そうな爽やかな笑顔が印象的だった。
その満点の笑顔でしかもパンツ一丁で、
意味の分からない踊りを踊りながら楽しそうに電話をしていた。
私はそれを見ていなかったように、窓を閉め、さっとカーテンを閉めた。
隣のマンションの住人があんな人だったのか。
まあ、隣のマンションだし、あまり接触することもないだろうし。
平気かな。
でも、もし接触することがあったりするならば、
先が思いやられる…
私ははあ、とため息をついた。
そんな中洗濯機は一生懸命働いていた。