ホットミルク
授業が終り、サークルに行くと、だんだんと衣装や道具ができあがっているのが見えた。



「あ、美香ちゃん、ちょっとこの衣装着てみてくれる?」



「あ、はい。」




どうやらあたしの衣装は、白い着物に、桃色の薄いリボンでポニーテールにするといったものらしい。




シンプルだけどすごく可愛い。





「うん、ぴったり。じゃぁ本番もこれでいくか。ありがとね。」




「いえ。こちらこそ、可愛い衣装作って下さってありがとうございます。」




衣装を脱ぐと、必死で大道具を作っている松山君が見えた。



頑張ってるなぁ。




じっと見ていると、ふいに松山君の手が止まった。



そして何かをじっと見つめていた。




視線の先には…




玲子ちゃんがいた。




玲子ちゃんは先輩と楽しそうに話している。




しばらくすると松山君はまた作業に戻った。




さっきの松山君の目…



恋する目だったなぁ。
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