ホットミルク
「最初は友達の家に泊まるとかしてたけど、そのうちどうでもよくなってきて、公園とかで過ごしたりもした。だんだん俺の心も壊れていくような気がした。そんなとき、公園で玲子に会ったんだ。自分の居場所とか、存在する意味が分からなくなってた俺に、玲子はずっとそばにいてくれた。くだらないこと話しながら、俺が帰るときまで一緒にいてくれたんだ。それだけで、俺はあの時救われたんだ。」



あたしは、何も言わずに、じっと松山君の話を聞いた。



「俺、玲子がいなかったらきっとダメになってた。今ここにいなかったかもしれない。だから、玲子は俺にとって特別なんだ。」



何も言えなかった。




松山君にとって、そんなにも玲子ちゃんの存在は大きかったんだ。
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