ホットミルク
「あたし、応援するよ、松山君のこと。」



あたしは、夜空に浮かぶ星ぼしを見つめながら言った。


「え?ほんと?」



「うん。きっと上手くいくよ。あたし相談に乗るからさ。」




「…ありがとう。」




松山君の気持ちは本気だ。



その気持ち、応援してあげたい。




なんだか、胸がちくちくするけど…。




あたしはきっと、このよく分からない気持ちにケリをつけたいんだ。




松山君と玲子ちゃんが結ばれてくれれば、この気持ちの悪さはきっとなくなる。



あたしは、自分の気持ちにきちんと目を向けないまま、松山君の恋を応援することにした。




しばらく歩いていると、ようやくあたしのアパートの前に着いた。



「送ってくれてありがと。気をつけて帰ってね。」



「うん。じゃ、またな。」


松山君は、あたしに背を向けて帰って行った。




あたしはその後ろ姿を、見えなくなるまで見つめていた。
< 37 / 49 >

この作品をシェア

pagetop