ホットミルク
それから何時間か経って、あたしもだんだん酔いがまわり始めてきた頃、いきなり茜が抱きついてきた。



「みぃ~かぁ~!!!」



「うわっ、ちょっと何?!」


「美香ちゃぁん、飲んでますかぁ~?」



「もぉ~、茜飲みすぎだよ。顔真っ赤だし。」



「んふふ~。 まぁ顔が赤いのはそれだけじゃなくて~……。」



「え?何言ってんの?」



「……ぐ~。」



「コラ~、寝るなぁ!!!」



「ん?何だっけ?」



「だから~、何で茜の顔が赤いかでしょ?」



「あ~…、そっか。実はさ~。」



「うん。」



「……先輩に告られちった。」






「はぁ~?!!誰が?!」



「…3年生の堤さん。」



え~っっ?!



堤さんっていったら、うちのサークルの中でもかなりカッコイイ先輩。



しかも優しくて、面倒見がよくて、すごく人気がある人。



そんな人が茜のこと好きだったなんて~!!!



なんだか酔いが一気に覚めた感じ。



「で、いつ言われたの?!」


「さっき二人で飲んでたとき。ずっとメールはしてたんだけどね。」



「そうなんだぁ~。それで返事はしたの?!」



「……なんかワケわかんなくて…それで…あれ、なんて言ったんだっけ?」



「ちょっと~、しっかりしてよ~!!」



「確か、考えさせてとかなんとか…。」



ほっ。なんだ、変なこと言ってなくてよかった。



茜のことだから、酔った勢いですごいこと言っちゃいそうだもんね。



ま、人のこと言えないけど。
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