ホットミルク
酔って火照った顔を夜風で冷ましながら歩いていると、後ろから松山君と玲子ちゃんの笑い声が聞こえてきた。



あんなに不安がってたけどやっぱり仲良いじゃん。



頑張ってね、松山君。



あーでもなんだろ…二人がいい感じで嬉しいのになんかすっきりしないなぁ。



どうしてだろ…。



疲れてるのかな、あたし。


なんか…泣きそう…。



少しうるっときてしまった瞬間、後ろから声をかけられた。



「あれ?美香も帰るの?」



話しかけてきたのは、二年生の酒井さん。



まずい、泣いてるのばれちゃう!



あ、でも暗いから大丈夫かな。



「あ、はい。あたしお酒弱いんで…。」



「そうなの?そういえば前の飲み会の時も一番につぶれてたっけ。」



「あの時はなんか調子に乗っちゃって…。すいませんでした。」



「平気平気、俺もよく一年の頃はつぶれて先輩に迷惑かけてたし。てか、今もだけど。笑」



「あははっ!」



酒井さんは、すごく気さくな感じで、よく面倒見てくれる優しい先輩。



こうやって誰かが一人で歩いてたりすると、さりげなく声をかけてくれる。



明るくて、おもしろくて、あたしの憧れ。
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