Last Love
「君、名前は??」




自分でやる、とか言い出して、俺に言いくるめられ、ひとりベッドにぽつんと座っていた



女にそう聞くと。




「ッ…桜川柚です…。」




甘いソプラノの声でつぶやくようにそう言って。



----ドクン




また心臓が騒ぎ出す。



(だから、なんなんだよ!!)



なーんて誰も返事をくれないでだろうツッコミをして。


「柚…か。

俺、「一ノ宮先輩ですよね??」



自己紹介をしようとした俺の言葉を柚が遮った。



「知ってんだ。」



そう言いながら、柚の靴下をおろす。



「遙でいーよ。

俺も柚って呼ぶし。」



柚の足は真っ赤に腫れていて。



「痛そー…」



そっと足に触れると。



「ッ……………」



声にならない悲鳴をあげる。



「ちょっと我慢してね。」



そう言って、シップを張る。



「あの……遙…先輩…」



「ん???」



包帯を巻いて。



「出来た。」



「あっ、ありがとうございます…。」



靴下をあげる、柚。
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