小野先生とアタシ
先生がリビングに戻ってきた。
そしてアタシがぼんやりと立っていたのに気づいて言った。
「キミ…タバコを…」
「…あの、先生、
前にも言ったと思いますけどアタシまだ20歳になってないから買えないんですよ?」
先生は前にアタシと交わした会話を忘れてしまったのだろうか、
同じコトをアタシに頼もうとした。
「…そうだったか…?」
そう言って先生は眼鏡をはずして疲れたように目頭を押さえた。