小野先生とアタシ

・彼女






夢の中の先生は泣いていた。

あの初夏の日に見た
あのときと同じように


アタシが近づくとそれだけ先生は離れていく。



アタシは思わず手を伸ばした。

「…先生っ!」

自分の声にハッとして目が覚める。



側にあった時計を見ると針は夜中の2時過ぎを差していた。


「まだ…こんな真夜中…」


アタシは上半身を起こし両手で頭を抱える。

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