小野先生とアタシ
迷わずアタシは先生に手を伸ばす。
そしてアタシの手が先生の温かい胸に触れたとき…。
先生がアタシの背中に腕をまわして抱きしめてくれたとき…。
…全部、ウソじゃないと確信した。
でも。
そう思ったと同時にアタシの耳元で怒ったような声が聞こえた。
「どうして人の話をちゃんと最後まで聞こうとしない?」
「え?」
「さっき、言っただろう。
人の話をちゃんと最後まで聞きなさいって。
なのにキミは勝手に判断して出て行って…」