小野先生とアタシ

そっと先生の表情を確かめる。

やっぱり怒ってる…?

じっと先生を見つめるアタシの顔に気づいた先生は今度は少し照れたように言った。


「あのとき言いたかったのは…
僕はずっと彼女のことを忘れられないんだってそう思ってた」

アタシは先生の言葉にどきどきする。

「…そう、あの日、
彼女が家に訪ねてくるまでは…。
でも彼女から結婚の話を聞いて、
キミがクロゼットから飛び出してきたとき
うまく言えないが…
すごく安心したんだ…」


「先生…」

よかったと思えたっていうことは
アタシのやったことは
先生を傷つけることはなかった…?

本当に…?



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