小野先生とアタシ

いつも授業でしか先生とは会ってなくて大きな階段教室の中。

距離があって。

先生と会話なんて一度も交わしたこともなくて。




でも今、
確実に授業の時よりも近いところに先生がいる。


本当なら近くにいることができて嬉しいと思うはずなのに。


それよりもただ、ただ気が動転してる。




「すいません…、すいません…」


繰り返すしかできなかった。


「……」


でも先生は何も答えない。




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