小野先生とアタシ


「キミ…」


聞こえた声に思わず顔を上げてしまう。


先生は思っていたよりも背が高くてアタシを見下ろしている。


「あ…の…」


いつも授業とかすれ違うとか
そういうことでしか先生と会わなかったから

よくわからなかったけれど。

背が高いっていうのはなんとなくわかっていたけれど…。


とても威圧感がある。




そして先生の表情は
さっきアタシが見た淋しそうで辛そうに泣いていたものではなくて

いつもの氷のように冷たくて無表情で…。


さっきの先生は幻だったの…?

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