この世界で二度きみを殺す
「ッ!?っつ、――――ッ」



ギリギリと、脇腹に侵入するものに力を込められる。



「自主はするよ、新山ちさとを殺したら」



次の瞬間、摩擦と共に鋭い痛みが走った。


そしてうつ伏せに倒れる。


目の前がぼんやり。


進藤さんが現れる、見下ろす。


視界がぐにゃり。

まーぶる状になる

身がさけそう

ていうか既にさけてる、みたいな!

おもしろくないね!


しんどーさんが赤い物体をにぎってる。

包丁かーそうかあすぺあ所持とは一本とられたな(ぶつり的には"抜かれた"だったりして)。

次は頭かなあ、僕死ぬのかな。

あー、それでもいいかもなあ。


所詮人生から自主退場できなかった弱虫だもんね。


しんどーさんの影、動かない。

背中向けた。あー、視界からしんどーさんが消えてく。

どこ行くのかなぁけーさつかなぁ。じしゅしてくれるんだもんね、ちさとを、

ちさとを、


ちさとを…




殺したら。
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