この世界で二度きみを殺す
進藤さんがこちらに振り向く。


目を丸くしていて、それが普段の面影を覗かせる。



「姉、さん…?」


「そう、だよ!ちさとの、姉さんなんだよ!!
似てるよな、似てるだろ!びっくりしただろ!?悪いか!?」



悪いか?悪いよな!


姉さんの存在隠して、ちさとと重ねて見てたんだもんな!



むせる。


脇腹に第二の心臓が生まれたみたいだ。



あああ唖然としてた進藤さんの目がまた殺人モードに戻り始めたよ。


もうここまで来たら誰でもいいってかよくねーよ!

頼む頼むよ起きてくれよ「―――美里!!!!!!」




僕が叫んだ瞬間、進藤さんが浮いた。


ちさとが蹴り上げたのだった。




…いや、今までちさとのフリをしていた、姉さんが。
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