この世界で二度きみを殺す
安らかに眠る姿を一瞥すると、ダンボールの蓋を閉め、
ガムテープを幾重にも巻いてから草むらの中に隠す。
そして背後を確認するように、辺りを見渡す。
外灯がぼんやりとした白い光を発し、周りに小さい虫が飛び交っている。
広場には、あちこちから主張する雑草に覆われ、使い道のなくなった遊具たち。
手入れすらされていない、人気のない公園だ。
ここなら、他の人間に発見されるまで、ある程度の時間は稼げる。
作業が一段落し、ため息をつく。
そこでふと、見上げた深い青色の空には、まばゆい光を放つ、丸々とした月。
――この月が欠け、姿を消していく頃には、
僕はもう、捕まっているかもしれないね。
僕は今日、生まれて初めて人を殺した。
憎くて憎くて、大嫌いなちさとを、殺したんだ。
ガムテープを幾重にも巻いてから草むらの中に隠す。
そして背後を確認するように、辺りを見渡す。
外灯がぼんやりとした白い光を発し、周りに小さい虫が飛び交っている。
広場には、あちこちから主張する雑草に覆われ、使い道のなくなった遊具たち。
手入れすらされていない、人気のない公園だ。
ここなら、他の人間に発見されるまで、ある程度の時間は稼げる。
作業が一段落し、ため息をつく。
そこでふと、見上げた深い青色の空には、まばゆい光を放つ、丸々とした月。
――この月が欠け、姿を消していく頃には、
僕はもう、捕まっているかもしれないね。
僕は今日、生まれて初めて人を殺した。
憎くて憎くて、大嫌いなちさとを、殺したんだ。