この世界で二度きみを殺す
「洗う…?」


「う、うん…」


「ちさとが、洗うの?そーちゃんの髪を??」



僕は口を一の字にして、顔をぶんぶんと縦に振る。


この際恥じらいっこなしだ。



すると、ちさとの瞳は潤いと輝きを増し、

頬に両手を当てると「わっわっ」と言いながら、部屋の中を飛び跳ね始める。



「そーちゃんとお風呂!
そーちゃんと洗いっこー!!」


いやマテそこまで言ってない!!



と、この場で言える勇気はないので、

後で何とか誤魔化す事にして、とりあえず曖昧に頷いておく。




そこで、安堵の息を漏らしていると、昼休みの終了チャイムが鳴った。


慌しすぎてすっかりお昼を食べはぐってしまった。


まあ、それは授業中でもあとの休み時間でも何とでもなるけれど。



ひとまずちさとを先に教室に帰らせ、

僕はここの片付けをしてから部屋を出ることにした。
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