この世界で二度きみを殺す
ちさとを責めていいのはちさとだけで、


ちさとを嫌っていいのは、僕だけだ。



それは、本当のちさとを知る人間だけに許されることだ。




ちさとはその時の現場を見ていないし、

僕から話すつもりもない。



そして噂が通うルートも持ち合わせていないし、

ケガについて問い詰められても、僕は誰にも本当の事は言わなかった。



だから、ちさとはその日に起こった事を知らない。



けどその日の夜、ちさとは例の発作を起こしたらしい。




…多分、知っていたんだろうなぁと思う。



あれだけ大声で、騒いでたんだもんなぁ…。





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