この世界で二度きみを殺す
六.絆と約束
『――――ね……』
暗闇の果てから声が聞こえる。
『―――んね……』
声がはっきり聞こえてくると同時に、
向こうの方から暗闇を侵食するように、少しずつ光が広がってくる。
『そーちゃん、聞いてる!?』
僕は飛び起きた。
その瞬間、僕の顔を覗き込んでいたちさとの額に激突して、声にならない声を上げる。
突然走った激痛に、僕らはしばらく顔を手で覆いながら悶えた。
『も~~~!
遅くなってごめんねって何回も言ったのに、そーちゃん寝てるんだもん!』
『あはは…、ごめんごめん』
そう言いながら、いつものリビングのソファに浅く腰を掛けていたことに気づく。
ここでうたた寝していたらしい。
ちさとは黄色のパステルカラーの七部袖カーディガンを羽織り、
その中に小花柄のTシャツを着ていて、下に黒レースの短めのスカートとニーハイを合わせている。
髪の毛は、高い位置でおだんごにしている。
この格好、いつだかに見た事がある気がする。
そう思い、ふと見た日めくりカレンダーが指すのは、二ヶ月以上前にめくったはずの、"4月17日"。
ちさとの誕生日を指していた。
どうやら僕は、気を失ったまま記憶を遡っているようだった。
暗闇の果てから声が聞こえる。
『―――んね……』
声がはっきり聞こえてくると同時に、
向こうの方から暗闇を侵食するように、少しずつ光が広がってくる。
『そーちゃん、聞いてる!?』
僕は飛び起きた。
その瞬間、僕の顔を覗き込んでいたちさとの額に激突して、声にならない声を上げる。
突然走った激痛に、僕らはしばらく顔を手で覆いながら悶えた。
『も~~~!
遅くなってごめんねって何回も言ったのに、そーちゃん寝てるんだもん!』
『あはは…、ごめんごめん』
そう言いながら、いつものリビングのソファに浅く腰を掛けていたことに気づく。
ここでうたた寝していたらしい。
ちさとは黄色のパステルカラーの七部袖カーディガンを羽織り、
その中に小花柄のTシャツを着ていて、下に黒レースの短めのスカートとニーハイを合わせている。
髪の毛は、高い位置でおだんごにしている。
この格好、いつだかに見た事がある気がする。
そう思い、ふと見た日めくりカレンダーが指すのは、二ヶ月以上前にめくったはずの、"4月17日"。
ちさとの誕生日を指していた。
どうやら僕は、気を失ったまま記憶を遡っているようだった。