僕らのままで
もどかしい──Side 哲
*4 side哲*
りんごは、美亜によく似合う。
…美亜が焼きりんごを食べるのを身ながら、そんなことを考えていた。
甘いけれど、ちょっと酸っぱい。
りんごは、美亜そのものだ。
…本当は、もっと早く仕事を代わってやりたかった。美亜が、何か食べたそうにしているのも、判っていた。
だけど、俺は───出来なかった。
動けなかったんだ。
一生懸命に火を起こしている美亜の横顔が、とても綺麗に見えたから。
美亜のことは、ガキの頃から良く知っている。
だけど、あんなに綺麗な美亜の表情を見たのは初めてで。
メイクも崩れてしまっていて、汗だくだったけれど、そんな美亜が、本当に綺麗だと思った。
それは、『顔立ち』とか『気立て』とか…そんなものよりも、どこか高貴だった。
何かに一生懸命になっている人というのは、こんなにも心に強く訴えかけるものなんだと、身に染みて感じた。
りんごは、美亜によく似合う。
…美亜が焼きりんごを食べるのを身ながら、そんなことを考えていた。
甘いけれど、ちょっと酸っぱい。
りんごは、美亜そのものだ。
…本当は、もっと早く仕事を代わってやりたかった。美亜が、何か食べたそうにしているのも、判っていた。
だけど、俺は───出来なかった。
動けなかったんだ。
一生懸命に火を起こしている美亜の横顔が、とても綺麗に見えたから。
美亜のことは、ガキの頃から良く知っている。
だけど、あんなに綺麗な美亜の表情を見たのは初めてで。
メイクも崩れてしまっていて、汗だくだったけれど、そんな美亜が、本当に綺麗だと思った。
それは、『顔立ち』とか『気立て』とか…そんなものよりも、どこか高貴だった。
何かに一生懸命になっている人というのは、こんなにも心に強く訴えかけるものなんだと、身に染みて感じた。