Kataomoi

「…もず、美智のこと
応援してるからね!
謎の女なんてしょせん
謎の女なんだから!
美智ならゆうと付き合えるよ!」

もずの励ましはなんだか
よくわからなかったけど、
あまりに強くもずが
抱きしめるのであたしは
胸が熱くなった。

「…うん。」

「…でもさ?」

「うん?」

「まーちんはもずのこと好きだと思うよ?」


久しぶりに感じた暖かい人の熱は
なんだか心まで熱くしてくれた。
だけど発せられたその言葉は、
あたしの心臓を打ち抜いた。

―あったかいのにどこかさめてる
それがもずの愛の抱擁だった。
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