インターン・シップ
そうこうしていると、俺たちのいる客席の照明がさらに暗くなり、それと反比例してステージが明るくなった。
ショウが始まるようだ。
わき起こる拍手と歓声。
口笛や指笛がピーピーなる。
「ランちゃ~ん」と叫ぶ野太い男の声。
重低音のきいた、ノリのいい音楽。
ドライアイスが焚かれたステージを妖しい紫のライトが照らす。
ランちゃんと呼ばれる彼女がステージに現れた。
より一層の拍手で迎えられても、名前を呼ばれても確かに彼女は笑わなかった。
声援に応えることも手を振ることもなく、冷めた目をしてただ客席を見つめてた。