インターン・シップ
「お客さん、着きましたよ?」
運転手さんの声に、ハッと我に返れば確かに窓の外には見慣れた7番街の風景。
ここら一帯は、俗に言う“歓楽街”ってやつだ。
スナックにラウンジ、キャバクラにホストクラブ。
1本裏通りを入れば、風俗店が軒を連ねてる。
私もこの歓楽街の住人と分かったんだろう、あきらかに品定めするかのようにジロジロと見てくる運転手。
もうそんな色眼鏡で見られることには慣れた。
軽蔑とまでは言わないけど、興味本意的な好奇な目だ。
財布からお札を数枚抜くと
「お釣はいいから」
と、足早に降りた。