インターン・シップ
あの路地裏で社長に言ったことは全部嘘だ。
嘘に決まってる。
社長が偽善者だとも、優越感に浸りたいんだとも微塵も思ってない。
それに社長は、どうでもいい奴にあんなこと言わない。
自分の下で働いてる子が、ましてや教授から預かってる生徒があんなことしてりゃ理由を問いただして当たり前だ。
でも、ホントのこと言ってどうなるの?
“助けてやる”なんて言葉に縋りついたら社長までとばっちりを受けるに決まってる。
巻き込みたくない。
不幸にしたくない。
迷惑かけたくない。
そう思ったら、もう口がペラペラと…。