私に恋を教えてくれてありがとう【上】
6、病院
父 祐樹は母の居場所がわかったのであろう。
玄関が壊れるのではと心配になるくらい
ものすごい勢いで出て行った。
「・・・・うん
疾風の如く」
まだ熱いココアをすすろうと思ったが
まだ吐き気をもよおしていてカップをテーブルに置いた。
母は私との言い合いの事だけで
こんな
向こう見ずなことはしない筈だ。
いつも、何があっても
父が心配症な為、家を離れるときは
メモを置くか、メールを入れる。
昔父と付き合ってたとき、
必ず、出勤や帰宅の連絡をしないと激怒して、
しばらく車の中で
ばん!ばん!と窓を殴っていたらしい。
それ以来母は、そういう状況になるのが面倒で
きちんと連絡を入れるようになったそうだ。
私の言った言葉で酷く傷つけてしまった??
いつもの言い合いと変わらなかったのでは・・・・
この母の行動は不信感を一層強めるものにしかならなかった。