私に恋を教えてくれてありがとう【上】
母 はなこ は声を震わせて、もう自転車をこぎ始めているそらに向かって叫んだ。
そらは止まりも、振り返りもしなかった。
今は得体のしれない憎悪でいっぱいなのだ。
はなこ の声が届かなかったふりをして、凍える夜道を 病院へと向かったのだ。
そらは止まりも、振り返りもしなかった。
今は得体のしれない憎悪でいっぱいなのだ。
はなこ の声が届かなかったふりをして、凍える夜道を 病院へと向かったのだ。