私に恋を教えてくれてありがとう【上】
一応到着するのに30分みてもらったが、20分程で着いてしまった。


きっと、はなこの事を考えながら自転車を走らせていたから




ペダルを踏むのに力が入ったのだ。







そらは駐輪場から駆け足で別館の更衣室に入り、

準備を済ませ

本館の病棟へと急いだ。





あまりに急いでいて、カーディガンを忘れてしまったが、今それに構う余裕がなかった。




髪も耳に掛けただけで、仕事スタイルとは程遠い。






そらは階段を一気に上りタイムカードを押した。


・・・・・まだ若いから大丈夫だと思っていたが、そらはなかなか 肩で息をするのを止められないまま

婦長をさがした。





「ふちょー


  どこですかー????」


そらは静まり返った院内を、小さな声でそう言いながらまわった。


すると、一番端の個室から声が聞こえてきた。


「・・・牧田さん??」




ドアを開けた。



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