私に恋を教えてくれてありがとう【上】
そらは苦しさを押し殺し、牧田に微笑み、

ベットの脇に足でイスを引きずり寄せて座った。



「眠れないんですか?」




無反応だ。


「一応、電気をここの小さいのだけにしますね?」



蛍光灯を消し、電気スタンドだけにした。







「・・・・・・・そうだ。そう・・・だ」



牧田が何かもごもごしている。





「・・・おぼ・・・えているかい?


 君は僕の・・・・ときも

 これにした・・・」




電気スタンドを指差し、かすれた声で話した。




・・・・“はなこ”だと思って話しかけているに違いない。そらは思った。



「なんの時ですか?」






いったいなぜ“はなこ”は電気を小さくした?



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