私に恋を教えてくれてありがとう【上】


「今日、あなたと会ってから、

 この人ずーーっとこうよ」






ドアを開けながら、たばこ臭く、

ぼさぼさの頭の牧田夫人があらわれてそらに言った。



ぱっと、牧田から手を離した。





牧田夫人は苦虫を見ている顔だ。




「たばこ・・・外で吸われてたんですね」






重々しい口を切った。



「あぁ・・・わかる?

 ぼさぼさだものね・・・風が出てきて・・」







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