私に恋を教えてくれてありがとう【上】
予想以上に近くて、これから圧迫面接を受ける気分だ。




夫人はさっきより声を低くして再び続けた。




「佐藤華子と牧田は同じ病院で働いていたわ」



そらは静かに聞いた。

 

「彼女は診察の介助をする業務だったそうよ。

 それで牧田の方が惚れてしまったんですって。

 

 その頃、勿論私達は結婚していたわ

 私と牧田は再婚同士でね

 

 ・・・・・・・・
 
 私達にはまだ小さい子供がいたのよ」




 また夫人はたばこの煙を吐くように、溜息を飛ばした。

< 125 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop