私に恋を教えてくれてありがとう【上】


 「当然 彼の帰りは遅くなっていったわ

 



 家でこそこそと携帯をいじっているのにも

 目を瞑っていた

 

 ずっと不審に思ってた


 

 でも、私は帰りが遅い日には

 必ず彼の携帯を鳴らしたの

 


 唯一それが、私の存在を相手の女にしらしめる

 方法だと思ったから」



夫人の声が少し大きくなった。



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