私に恋を教えてくれてありがとう【上】
 「半年間よ。




 半年も我慢したわ。



 毎日の様に主人に電話して。

 帰ってきて、

 帰ってきて、

 あなたの帰る場所はここよ?






  ずーーっと主人が出るまでコールを鳴らすの」





 夫人は両手を額に当て、うな垂れた。







 「それである日、私は決心した。

 


 主人と同じ病院で働いている看護師に

 声をかけたの。

 


 そして、タイムカードを見させて

 もらうことにしたの。

 


 少し希望はあった。

 



 本当に帰れなかっただけかもしれない。

 

 私の思いすごしだったのかもと、


 ・・・・・・・・・・・」


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