私に恋を教えてくれてありがとう【上】
そらは ふと

あの時、なあなあにされた あのことを

今なら聞き出せるのではと

思い立った。






「母と散歩したあと
 
 なんで、結婚を許してくれたのかが

 私・・・わからない
 

 淳一郎は母に何を言ったの?」






熱っぽく言った。






「僕はただ、

 ありのままの君への気持ちを

 伝えただけですよ」





肩をすくめて言った彼の顔には



そのことは聞かないでと書いてある。







ますますそらの中で不信感がざわめき始めてしまっていた。



すると、コンコンコンと誰かがドアをノックをした。


淳一郎はそらに、開けていい?と目配せをした。



そらは、彼に自分の顔が大丈夫か確認してもらい、


ドアを開けてもらった。


「はい、お持たせしました・・・・・

 

 あ・・・・・・」



そこには

ふわっとした髪の華奢なそらそっくりな女性





“華子”が立っていた。 
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