私に恋を教えてくれてありがとう【上】
そらは知っていた。
『簡単に不信感を抱く自分』を『不審』に感じていた。
“私がこうなのは母の教えのせい”と、
自分の問題を押し付けていたのだ。
母がそういう性格なのだから
自分もそれでいいんだ・・・・。
そう思って安堵していた。
しかし、
結婚が近づくにつれ不安定になっていった。
『自分と同じ感覚を持つ人間』と
離れなければいけなくなったのだ。
今まで、
華子がいつもそばにいたからこそ、
このままでいいと思っていたのかもしれない。
・・・・・・・・そして
“母への不審の種”
を見付け、ぐらつき
決して裏切らない支えを求めていた・・・・・・・。