私に恋を教えてくれてありがとう【上】

「食べちゃうわよ?いいわね?」

夫人には似つかわしくない程、それにがっついた。


「よくこんなもの好きで食べてたわね……

 喉が詰まるったらありゃしない……」


夫人はむせながら、あーだこーだ甘すぎるだの、

文句を吐きながら完食した。


口のまわりには粉が散乱し、おしろいなのか訳がわからなくなっているが

鏡を見ることなく話を続けた。



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