私に恋を教えてくれてありがとう【上】
 
「……あ~こっちが奥ので
    
   こっちが前か……」


道理ではまらないわけだ。

古い家なだけあって建付けもかなり悪く

なかなかの強敵となった。



そらは一息ついてしゃがみこんで

ふーっと自分の息を前髪に吹き付けた。




「あれ??」




直しかけの押入れの天井板がずれていた。



そこにかすかに

何か箱のようなものが見えた。
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