私に恋を教えてくれてありがとう【上】
リビングには

そらの好きな料理がならんでいた。


「わわわ!お母さんどうしたの!

     ちょっとおもしろいよ!!」



あまりにもメインが多く、


絶対に今日の料理は健康のことに一切気をつけていない感じ。



父は風呂で茹った後らしい。

パジャマと黒縁メガネがずれた父の、たじろいた表情がおもしろくて


へへっと笑いイスに座った。




「いいの!!今日はそらちゃんが好きなもので!

  ちょっと祐樹さん!何よその顔!
    
   嫌なら食べないでくださる?」




お姫様のようなエプロンをして

ご飯をもっている母 華子が父に噛み付いた。



父は利口にも 

こういう母の作った厭味なセリフに

少しも反論しないで大人しく席についている。



結婚生活で学習したらしい。


父はそらに向かって目をぐりぐりさせた。


こんな仲むつまじい二人を見て



「お父さんはお母さんのどこが好きなの?」



と、そらは少しどきどきしながら聞いてみた。

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