私に恋を教えてくれてありがとう【上】
残る二人も追っていただきますをした。

すると





「……そらの母さんはもてる女なんだ」





茄子の炒め物をつつきながら

父、祐樹が少しほほを赤らめて言った。




華子は

“いきなりなにを言いだすの!?この人”

と言いたそうに目をぎょろりとさせた。




そらは二人を見てにやっとし

続きを聞いた。





「小学校は違ったんだけど
     中学で同じクラスになったんだ」


祐樹は華子を横目で見たが、

華子はご飯を食べるのに集中しているの!とわざとらしく

箸をいつもよりもはやく口に運んでいた。




「席が隣になることが結構あってね

   なんていうんだろうな、


  

 そのころはやっぱり中学生だったから

 今ほど栄えた感じではなかったんだけど……」



今度はそらが華子の顔色をうかがい

そして“大丈夫”と祐樹にokサインをだした。
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