私に恋を教えてくれてありがとう【上】
明らかに自分がまだ
子供扱いされている気がして
そらは食器を片した後、二人のもとに行くには気が向かず
自分の部屋に戻り荷造りを再開しようと思った。
「ごちそうさまぁ」
と、二人のいる部屋のまわり廊下を通り過ぎようとしたら
そういえば!と中から声がして華子が障子を開けた。
「そらちゃん!さっきすごい音しなかった?
何か落としたの?」
「ははは」
「いつものめまい起こして襖に殴りかかちゃったの
まぁそのおかげで、
この家がどれくらい古いのか身にしみた
引っ越し時だね」
華子はそらの身を案じて心配な顔つきをした。
「あ、お父さん。
古い家って押入れの天井ベニヤ板なの?」
「あぁ、
どうだかわからないけど。
うちはどこの押入れもベニヤだ」
片腕で頭を支え寝そべっていた父が
そらに“乾杯!”とグラスを掲げて言った。
子供扱いされている気がして
そらは食器を片した後、二人のもとに行くには気が向かず
自分の部屋に戻り荷造りを再開しようと思った。
「ごちそうさまぁ」
と、二人のいる部屋のまわり廊下を通り過ぎようとしたら
そういえば!と中から声がして華子が障子を開けた。
「そらちゃん!さっきすごい音しなかった?
何か落としたの?」
「ははは」
「いつものめまい起こして襖に殴りかかちゃったの
まぁそのおかげで、
この家がどれくらい古いのか身にしみた
引っ越し時だね」
華子はそらの身を案じて心配な顔つきをした。
「あ、お父さん。
古い家って押入れの天井ベニヤ板なの?」
「あぁ、
どうだかわからないけど。
うちはどこの押入れもベニヤだ」
片腕で頭を支え寝そべっていた父が
そらに“乾杯!”とグラスを掲げて言った。