私に恋を教えてくれてありがとう【上】
「……うん。
いわゆるこれは
タイムカプセルみたいなものよ」
華子は表情は崩さいようにつとめ、おずおずとした。
そらは“タイムカプセル”という言葉に興味を惹かれその箱の中を是非見せてもらいたくなった。
「え!じゃぁさじゃぁさ!
一緒にみようよ!」
そらは小さな子犬のように目を輝かせて華子にまとわりついた。
華子はにっこりしたが目が泳いでいる。
「いいから荷造り早くやっちゃいなさい」
と、言い繕った。
しかし、華子は地に足が着いていない感じだ。
その様子をみてますます興味がわいてしまった。
「えーー??じゃぁさ、
一緒じゃなくていいから、それ、かして?」
華子の腕の中から箱を無理やり取った。