私に恋を教えてくれてありがとう【上】
「あなた、
子供じゃないんだから
そういう行動はよしなさい
そんなんで医者の彼とうまくいきっこない!!!」
華子は眉を吊り上げ
そらの手から箱を激しくもぎ取った。
「どういうこと?」
一時、真白になったそらは今の言葉の意味を熟慮し
すこし間を置いてから母を反攻の目で見て唸った。
「医者は引く手数多なの
誰かに持っていかれるにきまってるわ!」
そらはこの言葉にカチンときた。
母は私たちの何を知っているというのだ。