私に恋を教えてくれてありがとう【上】
「物事には順序があってね


 やっとタイミングがあったのが


 その歳だったんだよ」




「じゃぁさ、

  お父さんの前に、誰と付き合ってたか

 

   とか 知ってるの?」



暗くて祐樹の表情があまり見えなかったが

確かに嫌な間があいた。




「さぁ・・・・・


   忘れたなぁ


  何でそんなこと聞くんだ??」



そらはぎくっとした。


「あの箱の事が気になるのか?」




今 箱の事より

どちらかというと、夫人の言っていることが正しいのか・・・・

そちらに思考を向けていた。

が、牧田夫人に言われたことを言うより

箱のせいにしておいた方がいい気がした。

何か聞き出せるかも知れない。

「ま・・・・まぁ


   気になると言えば・・・・・」



もじもじしてみせた。


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