私に恋を教えてくれてありがとう【上】
そらは父と並んで歩いている中
ぐるぐると頭を働かせて
昔の母の様に自分の中でいろんな事を整理し始め
答えを見つけ出そうとしていた。
・・・誰にも見せることができない
隠しておきたいものといえば
まさに淳一郎が今日言っていた
“過去の恋愛のもの”という答えが当たっているのかもしれない。
でももし、そうだとしたら
母は“過去の恋愛”に未練があるということなのだろうか。
するとそれは
大いに父への裏切りになるのでは・・・・。
いや、あの中身を父は何だか知っているようなものぐさだった。