誘いの動画
「俺は生憎とヒミカのような自虐趣味が無いだけだ」

「ウソつけ! 貴様は影で人を喰らっている。それが血族の中では禁止されていると知っていてな!」

「フンッ。何でも禁止すれば良いというワケでもあるまいに。…そんなに俺を縛り付けたいのか?」

「お前が血族に背く限りは、な」

お互いに一触即発で殺気立つ。

「…では、俺は離属するとしよう」

しかし突然、シキは笑みを浮かべた。

「―そんなことが、許されるとでも本当に思っているのか?」

「まさか! 痛手は負うだろうが…できないことはない」

シキが刀を構えたので、マカも剣を持ち直し、構える。

「それはムリだな。お前がアイツの方に行ってしまえば、こちらは深手を負う」

「俺がマノンに従う、あるいは喰われるとでも?」

「ありえんことじゃないだろう? そうなる前に、始末してくれるわっ!」
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