雨恋
第一章
1. 過去
あの日から、
ちゃんと誓ったんだ。
なのに…
どうして?
なんで恋なんて
しちゃったんだろう…
私、黒川 麗(くろかわ うらら)は
春から高校生になる。
今、高校受験も終わり
中学も卒業して…
ひまーな春休みを過ごしている…
今日は親友の
小笠原 陽菜々(おがさわら ひなな)
の家に遊びに来ている。
「おじゃましま~す」
そう言いながら、私は靴をぬいだ
「どーぞーなーんにも無い部屋だけど!」
「あっ!!卒アル見ない!?」
そう、陽菜々は言った…
私は少し戸惑った
「…あ、ごめん!嫌…だよね…」
私が困っているのに気付いたのか、陽菜々は焦ってそう言った
「ううん、見たい」
「…………え?」
陽菜々が驚いたように言う
「卒アル、見よっ」
もう、現実から逃げたくない
前に進みたい
私は陽菜々の机の上に置いてあった、
卒アルを手にとった…