ツンデレ的天然ちゃん かける バイト仲間の年上王子っ!
でも、もしかしたらあたしはこの視線だって嬉しいのかも知れない。
だってそれって、嫉妬してるからこその視線でしょ?
あたしたち特別な関係なんだ!って感じがしてあたし的には怖いながらも幸せなんだ。
「お前髪ボサボサ。」
そう言ってあたしの髪に触れる大きな手。
ボッと染まる頬が熱を放った。
「顔真っ赤だけど何で?
…ひょっとして……」
驚いたフリをして口に手を当てた成巳先輩。
「ちょっ!
そんなんじゃないですから!
走って来たからです!
成巳先輩に髪直してもらったから、とかそんなんじゃないです!」
「へぇ、なるほどね。」
クスクス笑う成巳先輩。
チクチク刺さる周りの視線。
しまったぁー!
これじゃ本当のことじゃんかぁ…
つくづく自分のドジさに呆れる。
その日のバイトは肩をガックリと落としたまま終わった。