ツンデレ的天然ちゃん かける バイト仲間の年上王子っ!
「…お前具合でも悪いのか?」
落ち着いた曲が流れる車内。
あたしのドキドキは最高潮にあった。
大好きな人の車に
大好きな人の隣で
ゆっくりと時間は過ぎていく。
「具合、ですか?」
「ん。
だってお前さっきっからニヤけたり、ポケーっとしたりしてっから。
あ、もしかして何かの練習?変顔選手権?」
クスクスと笑いをこぼす成巳先輩。
ってか、変顔…
「何でもないですよーだ。
成巳先輩には関係ないですから。」
いーと成巳先輩へ向けたあたしの顔。
ただの照れ隠しだった。
なのに
「あそ。」
余りにも冷たい態度。
もしかして…怒らせた!?
うわぁーん
嘘でしょ?
だってだって……
あたしは何だか泣き出しそうになって、窓の外に目を向けた。
成巳先輩に見られないように、少しだけ体も窓の方に向けた。