ツンデレ的天然ちゃん かける バイト仲間の年上王子っ!
それからあたしたち2人はカウンターの席に座り、ナポリタンと、奏さん特製カクテル(勿論成巳先輩の)が出来るのを待った。
ぐるるるるぅー…
情けない音があたしのお腹から聞こえる。
あたしはまだかまだかとナポリタンを作る奏さんを凝視していた。
「おい、そんなに見てんなよ。」
「へっ?」
も、もも、もしかしてやきも
「奏に穴開く。」
ズゴーン
頭のてっぺんにタライが落ちてきた。
「穴開く訳ないじゃないですかぁ…」
頬に空気を溜めて膨らましてみる。
「変なカオ。」
ぶっ
成巳先輩があたしの頬を押したせいで変な音がでた。
「変なカオですいませんでしたー」
プイッとそっぽを向いたあたし。
「成巳、そんなに彼女イジメんなよー。
逃げられるぞ?」
はいどーぞと湯気のたつナポリタンをあたしに差し出す、笑顔の奏さん。
「わぁーい!
いただきまぁー「もーらい。」
フォークとお皿があたしの視界から消えた。
「あえっ…??」
「ふーん、結構旨いんじゃね?」
あれ…
「結構かよ…。
っつかお前彼女フリーズしてるぞ。」
「ん?
げっ…」
うぅ…
「うわぁーん!」
あたしのナポリタンがぁー!
「えっ?
はっ!?
ちょっ…泣くなって。」
ナポリタンをあたしに返す成巳先輩。
「あーあ。
悪いんだー成巳。
よし!
オレンジジュースを特別にサービスしてあげる!」
オレンジジュース…
「…いいんですか?」
「特別ね。」
ヤッタ!!
瞬時にあたしの顔は笑顔に変わる。
「オレンジジュース…」
複雑な表情の成巳先輩。