ツンデレ的天然ちゃん かける バイト仲間の年上王子っ!
「あはっ
成巳先輩こんなの見つかったらフラれちゃいますよ?」
なるだけ自然に、冗談ぽく言ったあたしの不安。
「誰に?」
誰って…
「綺麗な彼女さんなんですよね!」
なるだけ自然に…
出来る訳がなかった。
「ああ、まぁな。」
サラッと遠くを見ながら呟くようにこぼした成巳先輩。
あたしにはそれが照れているようにしか見えなった。
本当は…
「ほら、さっさと乗れよ。
置いてくぞ。」
「えっ!
あの…」
赤かった成巳先輩のスポーツカーは、少し丸味を帯びたシルバーの軽自動車に変わっていた。
やっぱり、彼女さんの為なのかな?
だったらあたし成巳先輩の車乗れないよ…
「先輩!あたし急にお腹痛くなってきちゃって…
今日もう帰ります!」
お腹を抱えながらあたしなりに全力の芝居。
でもそれは意味なかったみたい。
「嘘つくな。
ほら乗れ。」
いつもよりちょっぴり強めの口調に、あたしは従わざるをえなかった。